島根県大田市にある世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」を訪れ、撮影取材を行ってきました。構成資産、行き方、感想などをまとめましたので参考にしてください。
この記事は、これから世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」を訪問する人におすすめです。
はじめに:世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」とは
「石見銀山遺跡とその文化的景観」は、島根県に位置する日本の世界遺産です。江戸時代に栄えた石見銀山遺跡とその周辺地域の文化的景観が世界遺産の登録範囲です。詳細の登録範囲は後述します。
世界遺産に含まれている重要伝統的建造物群保存地区の「大田市大森銀山」と「大田市温泉津」についてもこの記事で解説します。
石見銀山が世界遺産として認められた魅力
石見銀山は、銀山として日本最大級の規模を誇る歴史ある遺跡です。ここで産出された銀は、古くから世界中で高い評価を受け、世界貿易を牽引する重要な役割を果たしました。特に、江戸時代には、石見銀山で産出された銀が幕府の主要な収入源となり、日本の経済に大きな影響を与えたとされています。
2007年に世界遺産に登録
また、石見銀山遺跡は、その歴史的な価値と美しさから、2007年に世界遺産に登録されました。登録された理由としては、石見銀山が日本の近世社会や世界貿易において果たした役割や、鉱業技術の発展、風景美や文化的景観の価値などが挙げられます。世界遺産に登録されることで、石見銀山は世界中から注目され、多くの人々に愛される観光地として発展しました。
世界的にも注目される観光地
石見銀山遺跡は、その歴史的価値や美しさだけでなく、今もなお進化を続けています。例えば、最近では観光客向けのインフォメーションセンターや展示室、ツアーコースの整備など、さまざまな施策が行われています。これらの取り組みによって、より多くの人々に石見銀山の魅力を伝え、世界的にも注目される観光地としての地位を確立することが期待されています。
観光拠点選びと石見銀山へのアクセス方法
宿泊先の選び方と観光拠点のおすすめ
石見銀山を観光する際には、どこに宿泊するかが重要なポイントです。周辺には大田市内や温泉津温泉街など、宿泊施設が多数ありますが、石見銀山観光の拠点としては、大田市内が便利です。出雲市や浜田市からも日帰りできます。
大田市内には石見銀山に関する情報や観光案内所があり、観光に必要な情報を入手することができます。また、市内には飲食店や土産店もあり、観光の合間に食事やお土産の購入もできます。
自分は大田市駅から少し離れたところの大田市中心部に2泊しました。スーパーやコンビニもあったので不便はなかったです。
石見銀山へのアクセス
石見銀山へのアクセスは、JR山陰本線の大田市駅から路線バスを利用します。大田市内中心部に宿泊すれば大田市駅にも近いので便利です。
温泉津温泉へのアクセス
温泉津温泉のある温泉津も世界遺産の一部です。また「大田市温泉津」として重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。
大田市駅からJRかバスでアクセスできます。自分は大田市駅からJRを利用しました。どちらも本数はかなり少ないので時刻表をよく確認しておきましょう。
もちろん温泉津温泉街に宿泊するのもいいです。ローカルなミニスーパーがあります。浜田市からのアクセスもいいです。
世界遺産「石見銀山遺跡と その文化的景観」の構成資産
世界遺産としての「石見銀山」の範囲は広く、また多くの構成資産があります。これらの構成資産を知ることで、どの地点にどのような歴史的背景があるのかを理解することができるため、より深く石見銀山を知ることができます。また、各構成資産の特徴や見どころを把握しておくことで、観光プランを立てる上でも役立ちます。
以下が世界遺産「石見銀山遺跡と その文化的景観」の構成資産です。
銀鉱山跡と鉱山町
- 銀山柵内 (Ginzan Sakunouchi, 1246-001a)
- 仙ノ山・仙ノ山城郭群
- 本谷間歩群…大久保間歩・釜屋間歩・金生坑など
- 大谷間歩群…龍源寺間歩など
- 清水谷間歩群…清水谷精錬所やトロッコ軌道跡
- 安原谷間歩群
- 於紅ヶ谷間歩群
- 石銀間歩群・石銀集落跡
- 昆布山谷間歩群
- 山吹城跡
- 佐毘売山神社
- 大森銀山重要伝統的建造物群保存地区 (Ômori-Ginzan, 1246-001f)
- 代官所跡(石見銀山資料館) (Daikansho Site, 1246-001b)
- 重要文化財熊谷家住宅 (House of the Kumagai Family, 1246-001h)
- 羅漢寺五百羅漢 (Rakan-ji Gohyakurakan, 1246-001i)
- 宮ノ前地区 (Miyanomae, 1246-001g)
- 矢滝城跡 (Yataki-jô Site, 1246-001c)
- 矢筈城跡 (Yahazu-jô Site, 1246-001d)
- 石見城跡 (Iwami-jô Site, 1246-001e)
街道(石見銀山街道)
- 鞆ヶ浦道 (Iwami Ginzan Kaidô Tomogauradô, 1246-002a)
- 温泉津沖泊道 (Iwami Ginzan Kaidô Yunotsu-Okidomaridô, 1246-002b)
港と港町
- 鞆ヶ浦 (Tomogaura, 1246-003a)
- 沖泊 (Okidomari, 1246-003b)
- 温泉津重要伝統的建造物群保存地区 (Yunotsu, 1246-003c)
その他周辺
- 石見銀山処刑場
- 千人壷
- 胴地蔵
- 人切岩
太字が訪問したところです。
石見銀山の観光
今回は日帰りの日程で世界遺産「石見銀山」を観光しました。石見銀山を散策した後、温泉津を散策しました。
石見銀山の日帰り観光におすすめ!ワンコインガイド
石見銀山の観光する場合、銀山柵内と大森銀山重要伝統的建造物群保存地区がメインになります。銀山柵内は石見銀山ガイドの会の「ワンコインガイド」に参加して観光しました。
ワンコインガイドは、料金が500円で、銀山の見どころを案内してくれるサービスです。ガイドさんは地元の方々が担当しており、銀山に関する豊富な知識を持っています。石見銀山公園から龍源寺間歩までツアーは予約不要で参加できます。
銀山柵内(世界遺産)
銀山柵内(ぎんざんさくのうち)は、面積約320haの銀鉱山跡です。
龍源寺間歩に行くまでにも、いくつも間歩があります。どれも立入禁止でした。
間歩とは鉱山の掘り口、いわゆる坑道のことです。
龍源寺間歩
龍源寺間歩につきました。龍源寺間歩は、常時一般公開されている唯一の間歩で、石見銀山観光最大の見所の一つです。有料で中を歩くことができます。
間歩の中は暗すぎて写真撮影はかなりきびしい。コウモリが何匹も見れました。
龍源寺間歩の出口。ここでワンコインガイドは終了です。ここから徒歩で大森銀山重要伝統的建造物群保存地区の方へおりていきます。
佐毘売山神社は、銀山柵内(世界遺産)にあります。
大森・銀山(世界遺産)
大森・銀山(世界遺産)は、大田市大森銀山 重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。古い建物が並んでいて、独特の雰囲気が感じられる場所で、歴史ファンにはおすすめの観光スポットです。ここも世界遺産の構成資産の一つです。
途中に大森銀山重要伝統的建造物群保存地区の石碑がありました。
熊谷家住宅(世界遺産)
熊谷家住宅(世界遺産)は、大森銀山 重要伝統的建造物群保存地区にある重要文化財(建造物)です。世界遺産の構成資産です。
代官所跡(世界遺産)
代官所跡(世界遺産)は、大田市大森銀山 重要伝統的建造物群保存地区にあります。史跡「石見銀山遺跡」の一部です。
現在は「石見銀山資料館」として、石見銀山遺跡に関する歴史や文化を学ぶための重要な施設になっています。
大田市温泉津 重要伝統的建造物群保存地区(世界遺産)
JR温泉津駅から徒歩10分ほどで大田市温泉津 重要伝統的建造物群保存地区です。こちらも世界遺産の構成資産です。さびれた雰囲気がとても素敵です。
奥に進むと温泉津温泉の2つの外湯があります。こちらは薬師湯。どちらかというと観光客向け。
こちらはどちらかというと地元の人向けの元湯。
温泉津沖泊道と沖泊(世界遺産)
温泉津温泉街から温泉津沖泊道(世界遺産)を歩いて沖泊(世界遺産)まできました。道も港もどちらも世界遺産の構成資産です。
このあと温泉津駅から大田市駅へJRで戻ったのですが、温泉津駅には券売機がないのでクレジットカードが使える大田市駅の券売機で往復切符を買っておけば良かったです。
まとめ
石見銀山は、日本の歴史と文化にとって重要な役割を果たした銀山であり、その歴史的価値から世界遺産に登録されています。石見銀山を散策して、銀山の歴史を深く学ぶことができました。再訪を考えさせる魅力的な旅行先であると感じました。
日本の世界遺産
文化遺産
- 法隆寺地域の仏教建造物
- 姫路城
- 古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)
- 白川郷・五箇山の合掌造り集落
- 原爆ドーム
- 厳島神社
- 古都奈良の文化財
- 日光の社寺
- 琉球王国のグスク及び関連遺産群
- 紀伊山地の霊場と参詣道
- 石見銀山遺跡とその文化的景観
- 平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―
- 富士山-信仰の対象と芸術の源泉
- 富岡製糸場と絹産業遺産群
- 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業
- ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-(ほか6か国と共有)
- 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
- 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
- 百舌鳥・古市古墳群 -古代日本の墳墓群-
- 北海道・北東北の縄文遺跡群
自然遺産
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