「ナショナル・ギャラリー(ロンドン)」で名画を鑑賞していると、ここが世界屈指の美術館であることが実感できます。そんな「ナショナル・ギャラリー(ロンドン)」の名画から特におすすめしたい名画6選を紹介します。
はじめに:「ナショナル・ギャラリー (ロンドン)」とは
「ナショナル・ギャラリー (ロンドン)」(以下、ナショナル・ギャラリー)は、イギリスの首都ロンドンにある美術館です。国立ギャラリーとも呼ばれます。1824年に設立され、イギリス国内外の様々な時代の絵画コレクションを所蔵しています。美術館はテラスのあるトラファルガー広場に位置し、イギリスの美術史やヨーロッパの絵画を幅広く展示しています。ヴァン・ゴッホ、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、ターナーなどの有名な作品が所蔵されており、アート愛好家にとって訪れる価値のある場所とされています。
「ナショナル・ギャラリー」は、ルーブル美術館とプラド美術館とともに、ヨーロッパ三大美術館とされています。その膨大なコレクションは、イギリス国内外のさまざまな時代やスタイルの絵画を網羅しており、アート愛好家や観光客にとって重要な観光名所の一つです。美術館は美術愛好家にとっては必見の場所であり、数々の傑作を楽しむことができます。
ナショナル・ギャラリーのチケット予約と入場料
ナショナル・ギャラリーは入場無料ですが、事前予約が可能です。予約は公式ウェブサイトからできます。予約をすると、入場時間帯が指定されます。入場時間帯を過ぎると入場できませんので、ご注意ください。
公式サイトでは事前予約をすすめています。
ナショナル・ギャラリーのおすすめの名画
あまたある有名な作品の中から、個人的に特におすすめの名画を紹介します。
『ヴィーナスとマルス』(サンドロ・ボッティチェッリ)1485
ウフィツィ美術館の2枚の名画、「ヴィーナスの誕生」と「春(プリマヴェーラ)」があまりにも有名なサンドロ・ボッティチェッリ。ナショナル・ギャラリーにも少ないですが、ボッティチェリの作品があります。
サンドロ・ボッティチェッリ(Sandro Botticelli)は、ルネサンスの代表的な画家であり、フィレンツェ派の中で最も顕著な業績を残した人物です。彼はフィリッポ・リッピの弟子として学びました。
ナショナル・ギャラリーでは、ウフィツィ美術館ほどの人気はありませんが、ゆったりとボッティチェリの作品を鑑賞することができます。特にヴィーナスの美しい顔を間近で見ることができるのは魅力です。
『受胎告知』(フィリッポ・リッピ)1450-3
フィリッポ・リッピ(Filippo Lippi)は、15世紀のイタリアのルネサンス期に活動した画家で、フィレンツェ派の代表的な芸術家の一人です。ボッティチェリの師匠です。
リッピは当時から、エロエロの生臭修道士として名を馳せていました。甘美な女性像が得意なのは、そのことにも関係があるかもしれません。
フィリッポ・リッピもナショナルギャラリーではノーマークに近いです。作品点数も少なく、足を止める人は多くないのでのんびり鑑賞できます。
『ヴィーナスに訴えるキューピッド』(ルーカス・クラナッハ)1526-7
ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach the Elder)は、16世紀のドイツの画家で、ルネサンス期の芸術家として知られています。
クラナッハは宗教画や神話画、肖像画などさまざまなジャンルで活躍しました。特に宗教画では、マルティン・ルターの宗教改革運動を支持し、その思想を反映させた作品を制作しました。また、彼の作品は独特のスタイルと色彩、細部への注意が特徴で、特に女性の裸体を美しく描写したことでも知られています。
腰の細くくびれた独特なプロポーションのヴィーナス像がかなり印象的です。頭に被った輪っかもとてもモダンでファッショナブルです。
『自画像』(レンブラント・ファン・レイン)1669
ナショナル・ギャラリーにはレンブラント作品が結構な数展示されています。レンブラントらしさが凝縮されてい、個人的にはこの年老いた自画像が一番好きです。代表作とはみられていないためか、足を止める人はそれほど多くないです。
『茶と銀の装いのスペイン王フェリペ4世』(ディエゴ・ベラスケス)1631-2
ベラスケス作品も結構な数が展示されています。その中でも、一度見たら忘れられない顔をしたフェリペ4世の肖像画が気に入ってます。スペイン・ハプスブルク家特有の顎の長さが際立っています。
ここまでのおすすめの絵画は、実はその画家の代表作ではありません。ナショナル・ギャラリーには名画は沢山ありますが、意外にその画家さんの代表作は少なかったりします。
ですが、次のヤン・ファン・エイクは誰もが認める彼の代表作です。
『ターバンの男の肖像』 (ヤン・ファン・エイク)1433
ヤン・ファン・エイク(Jan van Eyck)は、15世紀のフランドル派の画家であり、初期フランドル派の代表的な画家の一人です。ヤン・ファン・エイクは油彩技法の先駆者として知られています。
彼の作品は写実的な描写と緻密な筆致で特徴づけられており、人物や風景の細部にまで注意が払われています。同時代の画家の中では、ファン・エイクが絵が一番うまいです。
実際見るとかなり小さな作品なんですが、存在感が半端ないです。小さい作品ながら、足を止める人は結構います。
最後に紹介するのは、ナショナル・ギャラリーで一番人気のある絵画です。
『ひまわり』(フィンセント・ファン・ゴッホ)
ファン・ゴッホの制作した「花瓶に挿された向日葵をモチーフとした油彩の絵画」という定義であれば、『ひまわり』は6点が現存しています。
ナショナル・ギャラリーの『ひまわり』は制作した4番目の作品とされています。
個人的には、6年前にファン・ゴッホ美術館(アムステルダム)で別の『ひまわり』を見て以来の二番目の『ひまわり』になります。
いつもこのぐらいの人が集まってました。写真を撮るのも一苦労です。
初稿:2019/12/16
掲載している写真は、シャッターストックで販売しています。
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