ロンドンにある世界最大の博物館・大英博物館の見どころ20選のまとめです。(以前書いた記事に実際に自分で撮ってきた写真を使ってアップデートしました)大英博物館見学の参考にして下さい。
大英博物館の見どころ20選
大英博物館は、ロンドンにある世界最大の博物館です。約800万点の所蔵品があり、古代エジプト、ギリシャ、ローマ、中国、日本など、世界各地の歴史と文化を代表する貴重な品々が展示されています。
そして、大英博物館は完全無料です。一人旅の節約旅行で何度も訪問しました。
大英博物館の見どころはたくさんありますが、見ておくべき特に人気の展示物は以下の通りです。
- ロゼッタストーン(ルーム4)
- ラムセス2世の胸像(ルーム4)
- ゲイヤー・アンダーソンの猫(ルーム4)
- アメンホテプ3世の頭部像(ルーム4)
- アッシリアの守護獣神像(ルーム10)
- アッシリア王のライオン狩りのレリーフ(ルーム10)
- ネレイデス・モニュメント(ルーム17)
- パルテノン神殿の彫刻(ルーム18)
- ハリカルナッソスのマウソロス霊廟の彫刻(ルーム21)
- うずくまるヴィーナス像(ルーム23)
- モアイ像(ルーム24)
- アステカのトルコ石モザイク(ルーム27)
- ルイス島のチェス駒(ルーム40)
- サットン・フーの兜(ルーム41)
- オクサスの遺宝 黄金の馬車(ルーム52)
- ウルの王墓の出土品(ルーム56)
- ネブアメンの墓の壁画(ルーム61)
- 古代エジプトの副葬品・ミイラ(ルーム62-63)
- エジプト死者の書(ルーム63)
- ポートランドの壺(ルーム70)
いやー実際に大英博物館を見てまわると物凄いことが実感できます。展示品の量、質ともに圧倒されました。
それでは早速見ていきましょう。
ロゼッタストーン(ルーム4)
ロゼッタストーンはルーム4に展示されている重要なアーティファクトです。この石版は、古代エジプトのヒエログリフ文字とギリシャ文字、デメオティック文字の三つの言語で同じ内容が刻まれている希少なものです。
この石版は1799年にナポレオンの遠征隊によってエジプトで発見され、古代エジプトの文字の解読に大きな貢献をしました。ヒエログリフ文字の解読に成功したことで、古代エジプトの歴史や文化についての理解が大きく進展しました。
ロゼッタストーンは、その歴史的価値と重要性から多くの人々が訪れています。展示室は常に混雑しており、多くの観光客がこの貴重な石版に興味津々で立ち止まっています。それでも、ルーヴル美術館のモナリザよりは混雑していないです。
ぜひゆっくりとロゼッタストーンを鑑賞し、古代エジプトの謎めいた世界に思いを馳せてみてください。その歴史的な重みとエキサイティングな発見の背後にある物語を堪能できることでしょう。
ラムセス2世の胸像(ルーム4)
ルーム4に佇むラムセス2世の胸像は、その迫力と存在感で訪れる者を圧倒する素晴らしい作品です。このかなり背の高い石像は、まさに見逃すことはありません。
ラムセス2世は古代エジプトの偉大なファラオの一人であり、紀元前13世紀にエジプトを統治した王でした。その統治は約67年にも及び、長期間にわたって強力な支配者として名を馳せました。
この胸像はラムセス2世の威厳と力強さを象徴しており、彫刻家の巧みな技術によってリアルに再現されています。その巨大なサイズと迫力ある表情は、彼の支配者としての威厳を感じさせます。
訪れる者は、この立派な胸像の前に立ったとき、歴史の舞台に立ち会ったような感覚に包まれることでしょう。ラムセス2世の栄光と偉業に思いを馳せ、古代エジプトの輝かしい過去を垣間見ることができるでしょう。ぜひ、この素晴らしい彫刻の前に立ち、その壮大な歴史に思いを馳せてみてください。
アッシリア王のライオン狩りのレリーフ(ルーム10)
ルーム10に展示されているアッシリア王のライオン狩りのレリーフは、迫力ある戦場の情景を描いた驚くべき彫刻です。
古代アッシリア帝国は、紀元前9世紀から7世紀にかけて、中東地域で強大な勢力を誇った帝国でした。その支配者たちは王権の象徴として、自らの勇気と力強さをライオン狩りのレリーフとして表現しました。
このレリーフには、アッシリアの王が弓矢を手にライオンを狩る様子が描かれています。王の威厳ある姿勢とライオンの迫力溢れる姿が見事に表現され、戦場の緊迫感と力強さが伝わってきます。
また、レリーフの彫刻技術にも注目です。細部まで精緻に彫り込まれた王の装束や武器、草木の表現など、細かいディテールが見事に再現されています。
このアッシリア王のライオン狩りのレリーフは、当時の王権と軍事力を物語る重要な歴史的文化遺産として、多くの人々を魅了してきました。訪れる者は、この迫真の彫刻に見入り、古代アッシリア帝国の栄光と歴史に思いを馳せることでしょう。ぜひ、ルーム10でこの驚くべき彫刻の前に立ち、その迫力と美を堪能してください。
ネレイデス・モニュメント(ルーム17)
ネレイデス・モニュメントは、古代リュキアの都市であるクサントスにあった壮大な彫刻で飾られた墓です。現在のトルコのムーラ県にあるフェティエに位置しています。この素晴らしい彫刻は、紀元前4世紀初頭(紀元前390年頃)に、アルビナス(エルビナ、またはエルビナ)という名の君主が、アケメネス朝の下でリュキア西部を統治していたザンティアン王朝の君主として建てられました。
ネレイデス・モニュメントは、その壮大な構造と精巧なデザインで訪れる者を魅了します。彫刻が施されたフリーズは、土台の上にギリシャ神殿をのせた形状をしており、その美しさと細部へのこだわりが際立ちます。
彫刻は、美しいネレイデス(海の精霊)たちが船で航海する様子を描いており、海の女神たちの優雅な姿や波の描写が見事に表現されています。この彫刻は、かつて海と密接な関係を持つリュキア地方の文化や信仰を反映しており、その歴史的価値と美しさが称賛されています。
ネレイデス・モニュメントは、大英博物館の見どころの一つとして、世界中から訪れる人々を魅了し続けています。その壮大なスケールと美しい彫刻を前に立ち止まり、古代リュキアの繁栄と美を感じることができるでしょう。ぜひ、ルーム17でこの素晴らしい彫刻に触れてみてください。
パルテノン神殿の彫刻(ルーム18)
パルテノン神殿の彫刻は、古代ギリシアのアテナイにあったパルテノン神殿を飾っていた美しい諸彫刻です。別名「エルギン・マーブル」としても知られており、19世紀にイギリスの外交官である第7代エルギン伯爵トマス・ブルースが、パルテノン神殿からこれらの彫刻を削り取ってイギリスに持ち帰ったものです。そのため、現在でもギリシア政府からエルギン・マーブルの返還要求が出されていることでも知られています。
セレネの馬、パルテノン神殿破風(ペディメント)彫刻、紀元前447 - 432年
「NHKスペシャル知られざる大英博物館―第2集古代ギリシャ“白い”文明の真実」で紹介されていました。
パルテノン神殿の彫刻は、古代ギリシアの芸術の傑作として高く評価されており、その精巧なデザインと美しい彫刻技術には多くの人々が感銘を受けています。彫刻はパルテノン神殿の正面(ファサード)やメトープ(柱間の装飾)、フリーズ(壁面の装飾)に施されており、古代ギリシアの神話や歴史的な場面を描写しています。
ルーム18では、エルギン・マーブルの一部が展示されており、その美しい姿と壮大なスケールに圧倒されることでしょう。古代ギリシアの芸術や文化に興味を持つ方々は、ぜひこのルームを訪れて、古代ギリシアの栄光と芸術の魅力を感じてみてください。
エルギン・マーブル洗浄事件
エルギン・マーブル洗浄事件は大英博物館が行った途方もない文化財破壊として広く知られています。
エルギン・マーブルを含む古代ギリシャの彫刻が、先行する古代文明の影響を受けて極彩色に着色されていたことが判明しました。しかし、1930年に大英図書館職員らによって無断で行われた「清掃(cleaning)」作業において表面を強く研磨したため、エルギン・マーブルの大半から当時の色を知る痕跡が失われてしまったことが1999年にBBCによって報道されました。この事件はエルギン・マーブル返還を求めるギリシャ側の反発を一層増す要因となっているそうです。
うずくまるヴィーナス像(ルーム23)
「うずくまるヴィーナス像」は古代ギリシャの彫刻をモチーフにした作品で、別名「レリーのヴィーナス」としても知られています。大英博物館のルーム23に展示されており、ルーヴル美術館にも別のバージョンが存在しますが、「ミロのヴィーナス」に比べて知名度はやや薄れているかもしれません。
この彫刻は、女性が上半身をうずくまっている姿を描いたもので、優美で柔らかな曲線が特徴的です。彫刻家は美の追求に重きを置き、繊細な表情や姿勢が見事に表現されています。
古代ギリシャ彫刻の影響を受けた作品として、ルーヴルの「ミロのヴィーナス」が非常に有名ですが、大英博物館の「うずくまるヴィーナス像」もその美しさに見劣りしません。
古代ギリシャの美学や芸術を愛でることができる、見逃せない魅力的な彫刻です。訪れる人々にとって、古代の芸術と美に触れる素晴らしい機会となることでしょう。
モアイ像(ルーム24)
巨石像(ホア・ハカナナイア)、イースター島、オロンゴ
モアイ像は大英博物館のルーム24で展示されている巨石像(ホア・ハカナナイア)で、イースター島の文化遺産として非常に重要な存在です。
イースター島は太平洋に浮かぶ島であり、モアイ像はその象徴的な彫刻です。これらの巨石像は紀元後10世紀から17世紀にかけてイースター島の先住民によって制作されました。モアイ像は巨大な石のブロックから彫り出され、島の先住民たちの信仰や宗教的な意味を持っています。
しかし、これらのモアイ像がイースター島から大英博物館に持ち込まれた経緯については、現在でも議論の対象となっています。イギリスの探検家や航海者たちが19世紀にイースター島を訪れ、これらの巨石像を持ち帰ったり、購入したりしたことが起源とされています。
そのため、イースター島の先住民たちやチリ政府は、モアイ像を含む文化遺産の返還を求める運動を行っています。彼らはこれらの彫刻がイースター島の文化と歴史にとって重要なものであるため、故郷に戻すことが望ましいと主張しています。
モアイ像を巡る返還要求は、文化遺産の保護や先住民の権利に関する国際的な議論を引き起こし続けており、今後も世界的な注目を集める問題となっていることは間違いありません。
アステカのトルコ石モザイク(ルーム27)
アステカのトルコ石モザイクは、大英博物館のルーム27で展示されている素晴らしい考古学的遺物です。これはアステカ文明に由来し、特にその美しいモザイク技術が特徴的です。
このトルコ石モザイクは、アステカ文明が栄えたメキシコ中央高原地域で発見されました。アステカ文明は15世紀に栄えた古代メソアメリカの偉大な文明の一つであり、芸術や建築、工芸品などで高い技術と芸術性を示しました。
トルコ石モザイクは、トルコ石と呼ばれる美しい青緑色の石を用いて作られています。モザイクの技法を用いて緻密に組み合わされたトルコ石は、複雑な文様や美しいデザインが施されており、アステカ文明の高い美的センスと技術力を示すものとされています。
このモザイクはおそらく宮殿や寺院の装飾や祭儀に用いられていたものと考えられています。アステカ文明はスペインによる征服によって滅びましたが、その素晴らしい芸術品や文化遺産は後世によって保護され、世界中の博物館で展示されることとなりました。
大英博物館がアステカのトルコ石モザイクを展示することで、この優れた芸術的な遺産を広く一般に紹介し、アステカ文明の栄光と美を称えるとともに、古代文明の理解と尊重を促進しています。
ルイス島のチェス駒(ルーム40)
ルイス島のチェス駒は、大英博物館のルーム40で展示されている非常に興味深い考古学的遺物です。これはスコットランドのヘブリディーズ諸島に位置するルイス島で発見された、古代のチェスセットの一部です。
ルイス島のチェス駒は12世紀から13世紀のノルマン人によって作られ、木材で彫刻されています。チェスセットはフィギュアの形をした駒や駒台で構成されており、その美しい彫刻と細部へのこだわりが特徴的です。
このチェスセットは高い芸術性と細密な技術が評価され、中世のチェスセットとしては最も美しいものの一つとされています。ルイス島のチェス駒は、その独特なデザインと歴史的価値から、チェス愛好家や美術愛好家にとって非常に魅力的な展示品となっています。
大英博物館ではこのルイス島のチェス駒を展示することで、中世の芸術と文化遺産を紹介し、その重要性を広く一般に伝えています。また、このような貴重な考古学的遺物を保存・保護することで、後世にその価値を伝えていく役割も果たしています。
サットン・フーの兜(ルーム41)
サットン・フーの兜は、大英博物館のルーム41で展示されている非常に重要な考古学的遺物です。サットン・フーはイギリスのサフォークに位置する考古学的遺跡であり、アングロ・サクソンの王墓として知られています。
この兜はアングロ・サクソン時代のもので、7世紀のものとされています。素材は真鍮で作られており、装飾が施されています。サットン・フーの兜は、その美しさと洗練された技術から、アングロ・サクソン文化の優れた例として高く評価されています。
しかし、時の経過や遺跡からの発掘時に行われた作業によって破損してしまった部分もあります。そのため、大英博物館では専門家による再構築や修復作業が行われています。このような作業は考古学的遺物の保存と研究のために重要であり、兜の姿が変わる可能性もあるものの、その価値と重要性を守るために継続的に行われています。
サットン・フーの兜は、アングロ・サクソン文化を理解する上で貴重な遺物であり、大英博物館がその保存と展示に取り組むことで、世代を超えて人々にその歴史と美しさを伝えています。
オクサスの遺宝 黄金の馬車(ルーム52)
オクサスの遺宝として知られる黄金の馬車は、大英博物館のルーム52で見ることができる素晴らしい展示品です。この馬車は古代トルコのオクサス(現在の中央アナトリア地方)で紀元前7世紀頃に作られたとされています。
黄金の馬車は、驚くべき美しさと豪華さが特徴で、高度な技術と芸術性を持つ古代の工芸品です。馬車の車体や車輪は黄金で覆われ、細部にわたる装飾が施されています。また、馬車を牽く馬の銅像も精巧に作り込まれています。
この馬車は、古代オクサスの高度な文化と豊かな宮廷の象徴として造られたものと考えられています。その制作技術や意匠は当時の高い文明と繁栄を物語っています。
大英博物館では、オクサスの遺宝である黄金の馬車を展示することで、古代文明の豊かな文化遺産を紹介し、訪れる人々に驚きと感動を与えています。また、このような重要な遺物を保存・保護することで、後世にその歴史と芸術性を伝えていく大切な役割も果たしています。
ウルの王墓の出土品(ルーム56)
ウルの王墓の出土品は、大英博物館のルーム56で見ることができる貴重な展示品です。ウルは古代メソポタミアの都市であり、現在のイラクに位置していました。紀元前3千年紀頃に栄えたウルは、シュメール文明の中心地として知られています。
ウルの王墓は、シュメール時代の重要な王たちの埋葬地とされており、数々の貴重な出土品が発見されました。ルーム56では、この王墓から出土した美しい装飾品や陶器、彫刻などが展示されています。
出土品には、金や銀、貝殻などの素材を用いた豪華な装飾品や王権の象徴とされた品々が含まれています。これらの遺物は、シュメール文明の高度な技術と芸術性を示すものとして、考古学的な価値が非常に高く評価されています。
ウルの王墓の出土品は、古代メソポタミア文明の一端を垣間見ることができる貴重な遺産であり、歴史と文化に興味を持つ人々にとっては魅力的な展示物となっています。大英博物館では、これらの出土品を適切に保存・展示することで、後世にその豊かな文明の繁栄を伝えています。
ネブアメンの墓の壁画(ルーム61)
ネブアメンの墓の壁画は、大英博物館のルーム61に展示されている古代エジプトの重要な展示物の一つです。この墓は紀元前18王朝(新王国時代)に属するものであり、エジプトのテーベに位置していました。
ネブアメンはテーベの高官であり、その墓は彼の地位と権力を反映する豪華な装飾が施されていました。ルーム61では、この墓から発掘された壁画が展示されており、エジプトの古代美術の傑作として称賛されています。
壁画には神々や象徴的なシンボル、ネブアメン自身の姿が描かれており、エジプトの信仰や宗教的な信念、そしてネブアメンの社会的地位を理解する上で貴重な情報を提供しています。また、彩色が施された壁画は、古代エジプトの美的な感覚と芸術性を示すものとして、観る者の心を惹きつけています。
ネブアメンの墓の壁画は、その保存状態も良好であり、訪れる人々に古代エジプト文明の栄光と美を伝えています。大英博物館では、これらの壁画を適切に保護し、後世にその貴重な文化遺産を伝える使命を果たしています。
古代エジプトの副葬品・ミイラ(ルーム62-63)
ルーム62-63は、大英博物館において古代エジプトの副葬品やミイラが展示されているエリアです。古代エジプトでは、死後の世界での再生を目指し、墓には死者の冥界での生活を支えるためのさまざまな副葬品が埋葬されていました。
ミイラはその中でも最も有名で興味深い副葬品の一つです。ミイラは、死者の遺体を保存するために特殊な方法で処理されたもので、古代エジプトの信仰に基づいて行われました。死者の魂が身体に戻ってくることを信じ、永遠の命を得るために必要な手続きと考えられていました。
ルーム62-63では、美しく装飾された木製のミイラケースに収められたミイラや、副葬品として埋葬された様々な宝飾品や日用品が展示されています。これらの副葬品は、死者が冥界で快適な生活を送るために必要なものとされ、豊かな文化を反映しています。
これらの展示品は、古代エジプトの宗教と信仰、社会的習慣、美術技術などに関する貴重な情報を提供しています。また、その美しさと神秘性から、多くの訪れる人々に魅了される展示物として名高いです。
大英博物館はこれらの古代エジプトの副葬品やミイラを世界的に有名なコレクションとして保管・展示しており、古代文明の栄光と神秘を訪れる人々に伝え続けています。
エジプト死者の書(ルーム63)
エジプト死者の書は、古代エジプトの葬儀儀式や来世の信念に関する重要な文書です。この死者の書は、古代エジプトのエジプト神話や宗教的な信念を基にして書かれたものであり、死者の冒険や試練を描いています。古代エジプトの人々は、死後の世界での旅の成功を願って、死者の書を遺体や墓に一緒に納めました。
エジプト死者の書には数種類があり、古代エジプトの時代や地域によって異なるバージョンが存在します。最も有名なものは『死者の書』(「ブック・オブ・ザ・デッド」)と呼ばれるもので、紀元前16世紀から紀元前11世紀にかけての新王国時代に広く使用されました。
この死者の書には、死後の世界での冒険の途中で死者が出会うさまざまな神々や試練、儀式、魔法のスペルが含まれています。死者は、心臓の軽さを審判の際に証明するために、オシリス神の審判の前に立ち、真実の心であることを示す必要がありました。
大英博物館のルーム63には、このエジプト死者の書の一部や断片が展示されています。これらの展示品は、古代エジプトの宗教と死後の信念に関する貴重な情報源となっています。訪れる人々に古代エジプトの神秘的な世界を垣間見る機会を提供しています。
ポートランドの壺(ルーム70)
ポートランドの壺は、古代ギリシャの美術品の中でも特に美しい陶器の1つとして知られています。この陶器は、紀元前6世紀に古代ギリシャの都市ポートランド(現在のイタリアの都市トスカーナ州クレタ島)で作られたもので、アッティカ式黒絵陶器として分類されます。
ポートランドの壺に描かれた絵は、黒い背景に赤い彩色で表現されており、細密なディテールと芸術的な技巧を備えています。壺のデザインには植物や動物のモチーフが描かれ、古代ギリシャの生活や神話に関連する場面が描写されています。
ポートランドの壺は、古代ギリシャの芸術や工芸の傑作として高く評価されており、その美しさと技術は多くの人々に称賛されています。大英博物館のルーム70に展示されているこの壺は、古代ギリシャの芸術と文化に興味を持つ訪問者にとって見逃せない見どころの1つです。
まとめ
大英博物館は世界的に有名な美術品や文化遺産を所蔵しており、その中でも特に魅力的な展示物を20点ご紹介しました。
- ロゼッタストーン(ルーム4)- ルーブル美術館のモナリザほどの混雑を見せる重要な展示品。
- ラムセス2世の胸像(ルーム4)- 背の高い石像で圧倒的な存在感を持つ。
- ゲイヤー・アンダーソンの猫(ルーム4)- 可愛らしい姿が人気の彫刻。
- アメンホテプ3世の頭部像(ルーム4)- アンティークな雰囲気が漂う美しい頭像。
- アッシリアの守護獣神像(ルーム10)- 迫力満点の彫刻でアッシリアの歴史を感じる。
- アッシリア王のライオン狩りのレリーフ(ルーム10)- 力強い場面が描かれたレリーフ。
- ネレイデス・モニュメント(ルーム17)- リュキアの墓として建てられた美しい彫刻。
- パルテノン神殿の彫刻(ルーム18)- パルテノン神殿を飾った美しい諸彫刻。
- ハリカルナッソスのマウソロス霊廟の彫刻(ルーム21)- 紀元前4世紀初頭の彫刻で迫力がある。
- うずくまるヴィーナス像(ルーム23)- ミロのヴィーナスに並ぶ美しい彫刻。
- モアイ像(ルーム24)- イースター島の巨石像で見応えがある。
- アステカのトルコ石モザイク(ルーム27)- 華やかなモザイクが魅力的。
- ルイス島のチェス駒(ルーム40)- チェス愛好家にはたまらない展示品。
- サットン・フーの兜(ルーム41)- 精密な再構築がされた重要な展示品。
- オクサスの遺宝 黄金の馬車(ルーム52)- 豪華な黄金の馬車が見どころ。
- ウルの王墓の出土品(ルーム56)- ウルの歴史を物語る出土品。
- ネブアメンの墓の壁画(ルーム61)- 美しいエジプトの壁画。
- 古代エジプトの副葬品・ミイラ(ルーム62-63)- 不朽の存在感を持つミイラ。
- エジプト死者の書(ルーム63)- 古代エジプトの信仰を垣間見ることができる。
- ポートランドの壺(ルーム70)- 色鮮やかな壺が魅力的な展示品。
これらの素晴らしい展示物は、古代文明の魅力と神秘を伝えてくれます。大英博物館を訪れることで、世界の歴史や文化に触れる贅沢な体験ができることでしょう。ただし、エルギン・マーブル洗浄事件のような文化財の破壊には注意し、貴重な遺産を大切に保護していく必要があります。
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